クーラーの有り難みをひしひしと感じながらホーチミン廟のある広場からフォー屋さんへ移動。
さあ着いたよと言われても、フォー屋さんらしきものは見えなかったのですが。
近づいてみれば確かに。そこは大繁盛のフォー屋さんでした。
通りの反対側から見た印象とは違って、あちこち清潔にしてあり、中では店員たちが動線効率よくテキパキと動いていました。牛肉フォーのお店です。
狭い入り口と同じくらいの幅の通路が奥まで伸びて、左側にテーブル席、右側に壁に向かって座るカウンター席。そこをフォーを載せたトレーと来たお客さん帰るお客さんが行き交うのですから、ぼけっとしていると非常に邪魔です。
ハノイの人々、日がな一日外でじーっと座ったり寝転んだりしているのを多く見るのでいつものんびりなのかと思いきや、なぜか早いときはすごく機敏で、スローモーな私は着いて行けないことがあります。
何はともあれ、牛肉フォー。
これがここのお店のフォーです。ニラが凄いんです。クタっとしていて甘い香りを放っていました。深く身体に染み渡る牛の出汁と絹のようなフォーの食感。
そこにライムを。
日本では貴重なライムが、ハノイでは取り放題。無料でドーンと置いてありました。
もちろんたっぷり絞りました。
実はバーディン広場があまりにも暑くて、食欲など全くない状態でした。でもそこへスルスルと入ってしまうのがフォーなのでした。
なるほど。暑い気候にあった食べ物って感じです。
でもハノイは常夏ではありません。ちゃんと冬があってそれなりに寒いんです。
冬にハノイへ行ったときには別のフォー屋さんで同じように朝ごはんを食べました。とても美味しかったのですが、そのときにはジメジメと湿度が高い寒さに冷えきって、体が喜ぶ感覚はありませんでした。あっちのお店も暑いときにもう一度行ってみたいと思いました。
今回のフォー屋さん、実は池袋にもあるのだそうです。帰国してから長男に話したら、なんと既に行ったことがあるよとのこと。
主人曰く、こちらハノイのお店は日本人駐在員や出張者もお昼に寄るような立地なのだそうで、そんな中で日本出店の話が出たのだろうと。ホームページを見ると確かにその通りのお話しが載っていました。
美味しい感動ってすごいパワーを生み出すんですね。
東京のお店のホームページです。
池袋はよく中華スーパーに買い出しに行っているので、今度ついでに覗いてこようと思います。
この牛肉フォーのお店、ガイドブックには必ず載っている有名店です。
Pho Tin
13 Lo Duc, Hai Ba Trung District, Hanoi, Vietnum
私が住んでいた天津だけでなくあまり大きくない都市では何処でもそうかも知れませんが、駐在員家庭において街のローカルな情報源は主に奥さんたちです。日々の生活で必要に迫られて言葉を習得するのも奥さんたちです。旦那さんたちはお仕事がありますから変なところに行ってお腹を壊すわけにはいかないので慎重ですし、そうそう変な路地に足を踏み入れることもありません。奥さんたちで開拓或いは地元でできたお友達に教えてもらった美味しくお腹も大丈夫なお店にそのうち家族も連れて行く、というのが大体のパターンではないでしょうか。私は今回は時々遊びに行くだけのハノイですので、苦労も含めてハノイ暮らしの本当のところに触れることは有りませんが、今のところ慣れない東南アジアはそれでも充分に刺激的です。
美味しいフォーはここだけではないでしょう。でもここがお腹を壊さない保証バッチリなのは確かです。今の私にもそれが1番大事。最も私はそれでもあと2、3日滞在していたら完全にお腹を壊していたと思いますが。天津でははじめの1年半ずっとお腹を下していました。水と油の相性はその土地への気持ちとシンクロしているわけではないのです。天津では年数かけてお腹の闘う菌を育てられたが、鍛える時間がないのなら、安心安全路線に徹するのが1番です。
おまけで、冬に行ったフォー屋さん。
こちらもそういう訳でガイドブックに載っている日本人が入りやすいお店です。慣れない私にはそうは見えませんでしたが。群がる人々の中からサクサクと頼もしく注文する主人が一瞬現地人に見えました。
ビジネス街からは外れた立地で、地元の人が朝から並ぶ人気店。ここで私は産まれて初めてのベトナムでのフォーを体験しました。
息子2人も大感激して食べた牛肉フォー。中国で言うところの油条つき。暑いときにリトライしたいフォーです。
Pho Gia Truyen
49 Bat Dan Str, Hoan Kiem DIst, Hanoi
ハノイに行くようになって、フォー屋さんはフォーガー(鶏)とフォーボー(牛)のお店が別々にある事を知りました。
出汁を取る様子を見て納得です。
ちなみに下の写真のお店は街で見かけたボー鍋(牛肉鍋)のお店です。
大鍋で出汁を取ったあとの、牛の何か…。美味しいスープの裏には大変な労力があるのですね。めくるめく出汁の世界はベトナムにもありました。
中国に行った当初、今では全く違って聞こえる上shangと下xiaの違いが聞き取れませんでしたか。エレベーターでよく上に行くのか下に行くのか聞かれますが、どっちもシャーにしか聞こえなかったのです。
今度はベトナム語が全く耳に入ってきません。耳に撥水加工でも施されたかのようで、全てを弾き返してしまいます。ありがとう、こんにちは、だけは耳に飛び込んできますが。
たまに支援物資を運びにいくだけなのですから、焦ることはありません。
私の中国語学習は今も続いていて、中国語習い始めのころのような猛勉強をするパワーをベトナム語に傾ける理由もありません。
当面美味しいものをご馳走になってハノイを楽しもうかなと思います。それでもちょっとずつ知って行くという楽しみは味わえます。数字とお茶の産地や名前くらいは次回までに覚えようと思います。
さて、フォー屋さんの後ははいよいよ裏テーマの蓮花茶の探求へ。
元記事を読む...